出版社内容情報
白楽天や蘇東坡の西湖.その景観の「風化/再生」の歴史劇は,都市杭州の悦楽と闇を背景に演出された.歴史に埋もれたランドマーク西湖から現代の観光庭園まで.文明のダイナミックスを読むトポロジー.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moti moti
0
中国庭園序説とあるけど、直接的な庭の話はほぼない。前半は旅行論と紀行文論みたいな感じのもの、後半は西湖の歴史を通して中国人が風景や自然をどう見てきたかを論じている。そしてそれは、中国人の庭園の楽しみ方に通じている。詩人による風景の権威付のようなものと、それをなぞるという風景の楽しみ方は、南宋の時代に成立して、1980年代も変わっていないとのこと。中国の庭園や景勝地に扁額や詩があるのも、その楽しみ方に関係しているようだ。解説部分と紀行文部分に分かれるが、後者には草花に関する記述もある。2024/10/23