出版社内容情報
1945年夏の「あの日」から生きてきた.携えてきた記憶,50年間の日々に高められた反原爆の思い.そして今初めて綴り始めた自分史の数々.1人ひとりの被爆者のつぶやきのなかから見えてくる知られざる戦後史.
目次
被爆者たちの現在―今もつづく原爆とのたたかい
生きてきた50年
「自分史」を書く被爆者たち
被爆50年の夏に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かめすけ
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広島、長崎の記憶の断片。戦争というのは、自分の家族や友人、恋人の断末魔を聞きながらその場を離れ助けられなかった経験について、今後一生、生きながらえながら自責の念、良心の呵責に苛まれるという人生を歩むということだ。そのような人々を置き去りにするような戦後責任の放棄と虚構の経済的繁栄は、今日の日本の社会風土に引き継がれている。イスラエルに加担し、武器輸出を進め、管理社会をさらに推し進めようとすることは、過去の悲劇の忘却であり、それらを推し進める政治家への監視を怠る市民の怠惰であるだろう。2024/03/12