出版社内容情報
放蕩息子の帰還を赦す父,それを知った兄息子の怒り―イエスの譬えは,人生に挫折した人間が新しく生きる意味を再発見する心の旅の物語である.その多様な解釈にはキリスト教精神史の一断面が現れている.
内容説明
イエスの説いた福音のたとえは、人生に挫折した人間が新しく生きる意味を再発見する心の旅の物語である。
目次
1 『放蕩息子』のたとえをよむ
2 『放蕩息子』の精神史―古代教会から宗教改革まで
3 近代文学の中の『放蕩息子』―ジイド、リルケ、カフカ
4 『放蕩息子』の精神分析学的解釈―自己実現と影
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
10
久しぶりに読んだ宮田先生の本。カフカ自身の放蕩息子の読みをあげている。カフカが自殺願望を抱きながらでも、どこかで希望が待っている、その方向へ向かわせる何かがあるという。そのどん底で作用しているかもしれない「信仰のかけら」のようなものと放蕩息子を対照的に引用する。最後に著者が、私たち人間が今、大気汚染、環境汚染を引き起こし、自然を回復不可能なまでに破壊しつづけているその姿に訴えてくる。2013/06/07
takao
2
ふむ2024/06/14
Tonex
0
たった一つのたとえ話でもこれほど解釈のバリエーションがある。100年もしたら、この放蕩息子のたとえ話もまったく違ったように説明されていることだろう。2013/09/20
-
- 和書
- 歯科衛生士になる!