出版社内容情報
12年におよぶ音楽家の労働争議は世界に例をみない闘いだった.それは音楽家自身の意識を変え,音楽そのものと聴衆のあり方を変え,新しい文化運動をうみだした.そして今,市民とともに未来への飛躍の時を迎えている.
目次
表現力の豊かさ、表情の率直さ
ハーモニーは虹を渡って
プロローグ ふるさとの交響詩
闇をてらす灯
心を紡ぐ人びと
明日への架け橋
新しい時代の扉
エピローグ 未来への伝言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
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2016年972冊め。日フィルは文化放送とフジテレビから不採算部門として財団法人へ移行され、更に労働組合活動の結果、財団も解体された。当時の首席指揮者の小澤征爾と組合を離脱した団員が新日本フィルを立ち上げ。残された団員は失業手当を受けながら不当解雇への争議と演奏活動を継続したという。儲からないからという経済至上主義の前に、歴史と伝統の楽団が切り捨てられた悲劇。その後市民共同で音楽人口を増やし新たな社会地位を獲得したことに拍手。12年間にも及ぶ音楽家の労働争議は世界的にも例がない。2016/11/06