出版社内容情報
吉野作造,新渡戸稲造,市川房枝,尾崎咢堂……土着のリベラリズムが育まれ花開いた大正期に,戦後デモクラシーの根を探る.近代思想がはらんでいた豊かな可能性を,時代をつらぬく視点でわかりやすく説く,感銘深い講演集.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
令和の殉教者
1
ラインホルド・ニーバーを師に持つ政治思想学者による講演録。筆者は戦後デモクラシーの源流を大正期に見ており、美濃部に見られるような国家を超えた普遍的価値への志向や、教養主義が目指した人格の陶冶を補助線として、吉野作造、新渡戸稲造、市川房枝、尾崎行雄らを論じていく。天皇主権と君主権力の制限の両面を孕む明治憲法の中で、日本個別の文脈を重んじながら自由と普遍性をどのように志向するか。ここから第Ⅱ部のニーバー的問題、原罪と自己批判へと"接木"されることになる。キリスト教の色が強いが、論旨が明快で議論の整理が上手い。2025/04/12
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