出版社内容情報
今回の阪神大震災で,これから深刻化することが懸念されているのは,人の心に残した爪跡です.自身も被災し震災現場で診療している医師として,行政と医療体制等々の問題を考えながら,今後の心のケアとは何かを問う.
内容説明
心は元気ですか。阪神大震災で、これから深刻化することが懸念されているのは、PTSDを始めとする心に残した爪跡…。自身も被災し震災現場で診療している医師として、行政と医療体制、仮設住宅と老人、ボランティアの養成等々の問題を考えながら、今後の心のケアとは何かを問う。(心の健康チェックリスト掲載)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
7
◆1995年9月5日岩波書店刊。著者(1928-2003)は医師、神戸市垂水区にあった河野胃腸科医院の院長。精神医療(心のケア)、ターミナルケアにも携わる。◆阪神大震災直後の、医院および西神戸地域の避難所等での診療と、被災者でもあった自らの心の揺れ動きを記録。診療記録では、様々な内科的な症状にも、地震の経験や被災生活のストレス、震災前からの個人の問題が強く影響していることが窺える。また被災(被害)者のケアが専門の米国NGOや他県の医師の協力のもとでの、心のケアの取り組み(ボランティアの養成)も興味深い。2024/03/13