自由の牢獄

  • ポイントキャンペーン

自由の牢獄

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 232p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000029438
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

長い熟成期間を経て,満を持して公刊された傑作短編集.手紙,手記,パロディ,伝記など多彩な手法を駆使して編み上げられた,魅力的なファンタジーの花束.エンデ文学の到達点,エッセンスを余すところなく伝える力作.

内容説明

ベストセラー『モモ』や『はてしない物語』の作者が、長年月かけて熟成させた、代表作『鏡のなかの鏡』につづく力作短編小説集。精神の世界の深みにおもりを下ろし、そこに広がるさまざまな現実を色とりどりの花束に編み上げた、エンデ文学の到達点を示す力作。ヨーロッパ的精神世界とドイツ・ロマン派的な文学伝統を背景に、手紙、学術的レポート、手記、「千一夜物語」のパロディ、伝説など、さまざまな手法を駆使して繰り広げられるファンタジーの世界は、ミヒャエル・エンデの魅力を余すところなく伝える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

60
既読の『鏡のかなの鏡』を遡り、本書へ至った。不思議が凝縮された8編の珠玉の短編集。冒頭の「遠い旅路の目的地」から「道しるべ」まで、読了で気付かされる円環。表題の「自由の牢獄」は、自由ということが如何に難しいかがわかる。一朝一夕には本当に自由ということを理解することは難しい。選択の自由も選択肢が多すぎると、選択に困る。しかし、選択しなければ、選択肢は無い。一話々々に様々な思いが込められている。一読の価値十分。本書と『鏡のなかの鏡』との呼応が連想され、またエンデの人間味溢れた優しさをも垣間見ることができた。2017/03/01

秋製 

27
短編集。 これは気軽に読むというより、考え込みながら読んでいた気がします。2013/09/21

アナーキー靴下

24
エンデを好きになったきっかけ本。異次元との繋がりを思わせる、SFのような短篇集。しかしどの作品も幕引きはファンタジーらしい、不可思議な余韻がある。子供の頃にファンタジー小説に求めていたのは「ここではないどこかにある私の本当の居場所」だったのだと、この本を読んで気付かされた。収録作品の多くは、その渇望自体を物語にしていて、エンデは私の気持ちを満たしてくれる人なんだ、と夢中になった(既に高校生だったけれども)。でも、エンデは解釈されるの嫌い、を念頭に読むと、逆に私を解釈してるよね? ってアンフェアに感じる。2020/10/22

テツ

19
各人各種何かに捉われている状況。そこから逃亡し何かを何処かを目指そうとする抑えきれない衝動を抱えた登場人物たち。そしてタイトルの『自由の牢獄』の意味。ヘッセを読んだときのような感覚。自由と不自由。完全な自由と完全な不自由。そして束縛から逃れ何かを目指し何かを望む人間が持つ力について。エンデの紡ぐファンタジーの世界からはエンデの哲学が強く香る。良い感じで酩酊している気分になれます。『モモ』しかエンデ作品を読まれていない方にも是非。2016/12/15

月夜乃 海花

13
やっと読了しました。 これが本当のミヒャエル・エンデか。 1つ1つの物語を咀嚼するのに、とにかく時間がかかりました。今も完全に理解したとはいえません。「モモ」や「果てしない物語」と違って、全てが幸福に終わる話ばかりではないのです。すごく考えさせられるというかなんというか…。2018/09/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/402574
  • ご注意事項