出版社内容情報
20世紀言語学の巨人の基本的思想をもっともよく示す論文集.「ロシア語の音韻進化に関する考察」「音素の構造について」「ユーラシア言語連合の特徴づけに寄せて」等,本邦初訳の構造的音韻論の論稿14篇を収める.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
著者が比較言語学から諸言語の「全体性」を構想するのはヨーロッパ主義に対するユーラシア主義思潮にあった1920年代だという。が、著者は国家や言語による民族的な全体性を著者は問題にしない。ユーラシアは情報論的なランダム世界から様々な諸言語のパターンが生まれる具体的イメージである。著者はインドヨーロッパ諸語から中国・日本の太平洋側の諸語までを含むユーラシア諸言語を、音韻的な弁別素性の織りなす「言語連合」と呼んだ。が、その具体性ゆえか、諸言語の音韻は差異の等価性を目指すという構造概念にない目的性が導入されている。2021/12/02
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