出版社内容情報
人種差別の壁と闘いながら学問的な努力によって最も優れたアメリカ史家と評価されるに至った著者の珠玉のエッセイ集.2つの人種世界の形成過程,南部の歴史などを透徹した目で描き,アメリカ社会の実態を浮き彫りにする.
内容説明
二つの人種世界の形成過程、エスニシティーの実態を透徹した目で描き、その実相を明らかにする。「自由と機会の国アメリカ」の歴史と現実。珠玉のエッセイ集。
目次
第1章 われわれの歴史について
第2章 アメリカ黒人学者のディレンマ
第3章 二つの人種世界―歴史的見解
第4章 アメリカにおけるエスニシティー―歴史的展望
第5章 大いなる対決―社会変容の問題と南部
第6章 建国の父祖たちの道徳的遺産
第7章 『国民の創生』―歴史という名の宣伝
第8章 ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ探求
第9章 アメリカ黒人史の学問的発展について
アメリカ史略年表(黒人史を中心に)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
20
ジョン・ホープ・フランクリンは、アメリカ歴史学協会会長等を歴任した、南部史を専門とする著名な黒人歴史家。南部は、自分達の悪を美徳にしてしまうことで南北戦争の悲劇を招いた。そして「南部が維持しようとしたものは、あるがままの現実にも、また現実に目を開かせてくれるはずの変化にも、あえて直面しようとしない人々の豊かな想像の中にしか存在していなかったのである」。その言葉は、歴史自身が負の遺産となって、現在に復讐するエネルギーと生ることの教訓になるだろう。余談だが、最近、南部に関係の深い大統領ばかりな気がする。2016/11/14
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- 週刊ダイヤモンド 21年5月29日号 …