出版社内容情報
叙事詩においてイタリアの文学は世界文学の中に屹立する.レジスタンスの遺書からパヴェーゼへ,さらにはダンテへと叙事詩の水脈をさかのぼる本書の行間に,読者はまた日本文化への痛切な反省をも読み取るだろう.
内容説明
叙事詩においてイタリアの文学は世界文学の中に屹立する。個を越えて共通の理想をめざすこの精神の営みを抜きにしては、ファシズムの試練に耐えた今日のイタリア文化を理解することもまたできない。レジスタンスの遺書からパヴェーゼへ、さらにはダンテへ―日本文化への痛切な反省をにじませた骨太なイタリア文学評論。
目次
叙にかえて―『イタリア抵抗運動の遺書』解題
詩人という仕事(チェーザレ・パヴェーゼの詩学;パヴェーゼ流刑地詩篇をめぐって)
カルヴィーノ文学の原点
地中海文学の再生度者ヴェルガ
見神の叙事詩人ダンテ
翻訳の理想と現実―寿岳文章訳『神曲』「地獄篇」をめぐって
イタリアの文学空間