出版社内容情報
普遍的であるはずの「論理」と「合理性」。それは文化によって大きく異なり「価値観」とつながる。「文化の多様性」という言葉に逃げ込まず、それぞれ4つの原理を代表する日本・アメリカ・フランス・イランの思考表現スタイルから4タイプの論理と合理性を明らかにする。ポスト近代を生き抜く知恵となる比較文化論の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coffee
40
論理性は万能ではなくあくまで1てのツールだと、自分の中で曖昧にしていたものがクリアになった感覚。 また自分は改めて日本型の思考なのだとも再認識した。 一方でビジネスにおいて、特に合意形成や交渉の場においては、アメリカ型の論法は非常に有効だということも理解できた。2025/01/25
kan
33
めちゃめちゃ面白かった!自分の迷いの理由が全て分析されていた。教育の目的をどこにおくのか。求められる論理性や書き方になぜ違いがあるのか。前提となる教養の基盤は何か。外国語教育の数々のモヤモヤは、教育哲学を明確に示すことが解消のヒントになりそう。米国式の合理主義的な教育観と、日本式の価値と共感に重きを置くスタイルの食い合わせの悪さよ。英語エッセイが論理的な訳ではなく、テンプレートと割り切ろう。フランスの書き方と教育哲学には憧れるし、イランのエンシャーも美しく、神に収斂されるのも興味深い。勉強になった!2024/11/08
戸部アンソン
26
カントの純粋理性批判が読めず、作文構成が違うのだろう、どう違うかをこれで知ろうしました。確かに文化圏により合理的思考のパターンと表記方法が違う。とても面白い論文でした。この文化の違いを知ることで海外作者作品理解に役立つとは思いました。依然カントはわからん!ですが2025/05/12
neputa
23
「結論から述べよ」「論理的思考を身につけよ」。社会、特にビジネスの場面でこうした言葉をよく耳にする。この「論理」は世界共通、普遍的なものと思っていた。最初に結論を示すのは、それが最も合理的で優れた手法だからと信じて疑わなかった。本書を読むまでは。論理は多様であり、それは文化基盤に深く関係し、「作文教育」と「歴史教育」によって形成される。著者はアメリカ、フランス、イラン、日本の作文と歴史教育を比較分析し、各国の思考表現スタイルが異なる実態を浮き彫りにする。35年の年月をかけた著者の研究に魂を揺さぶられた。2025/10/23
魚京童!
21
フランスの話が苦手なのは思考の型が違うからだな。面白いとも思わないからな。ロシア語もよくわからない。でも東洋はなんとなくわかるし、セム語がよくわからない。わからないことばかりだ。4行詩とか、575とかいうけど、きっと慣れているから好きになる。好きだから慣れるのかもしれない。思考の型を合わせてあげる必要がある。2025/01/03
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