出版社内容情報
内戦が代理戦争の様相を帯びるとき、泥沼の悲劇が引き起こされる。ウクライナのドンバス紛争から二〇二二年の戦争に至る過程には、シリア内戦と同様に諸外国が介入してきた。ウクライナは「第二のシリア」になってしまうのか。ロシアのシリア内戦への関与を洗い出し、両国の関係から、ウクライナ侵攻の実相に迫る。
内容説明
内戦が代理戦争の様相を帯びるとき、泥沼の悲劇が引き起こされる。ウクライナのドンバス紛争から二〇二二年の戦争に至る過程には、シリア内戦と同様にアメリカ、ロシアをはじめ諸外国が介入してきた。ウクライナは「第二のシリア」になってしまうのか。シリアの視点からウクライナ侵攻の論理を読み解く。
目次
第1章 干渉国から「侵略未遂国」へ(近代との遭遇―「東方問題」と宗派主義;ロシアの離脱;シリアとは?;フランスの委任統治;ヨーロッパから移植された混乱の火種)
第2章 友好国、同盟国から主権の「守護者」へ(友好国、同盟国となったロシア;勧善懲悪と予定調和で理解された「アラブの春」;シリア内戦;グレード・ダウンされる介入の根拠;主権に基づくロシア、イランの介入)
第3章 知が裏打ちする怒り、怒りを支える無知(主戦場となったウクライナ;集団ヒステリーに苛まれる欧米諸国;知がもたらす感情移入と差別;デフォルメされる現実;黙殺される違法行為)
第4章 弱者による代理戦争(三者三様の反応;行き過ぎた人道主義;「国際義勇軍」派遣の動き;ロシアの傭兵;シリア政府支配地の機運に乗じるロシア)
著者等紹介
青山弘之[アオヤマヒロユキ]
1968年東京生まれ。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒。一橋大学大学院社会学研究科で博士号取得。1995‐97年、1999‐2001年シリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所(IFPO、旧IFEAD)に所属。JETROアジア経済研究所研究員(1997‐2008年)を経て現職。専門は現代東アラブ地域の政治、思想、歴史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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