出版社内容情報
普遍的かつ超時間的な客観的真理を中心命題とした西洋政治思想は,すべての人間,国家は独自の固有の価値をもつというロマン主義の挑戦により転換を迫られた.ロマン主義の政治における意義を解明した思想史.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
4
ロマン主義というのはつかみどころがない思想・運動・心情である。美術や文学などその影響は広汎であるし、政治的には反動にも革新にもつながりうる。ロマン主義自体は陳腐になっても、その遺産抜きには現代思想や文化も理解しえない。なのに、英仏の科学的唯物論への反動という出自のせいか、英語圏ではあまり真面目に受けとられない。このロマン主義の近代思想上の重要性を認識したのがユダヤ系ロシア人のバーリンであった。シオニズムやロシア知識人などのロマン主義に自らも共感を感じるがゆえに、その影響力や危険にも敏感であったのだろう。2019/07/16
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