歴史の地殻変動を見すえて

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000025393
  • NDC分類 302.3
  • Cコード C0031

内容説明

パリを根拠地に長期にわたって現代史の流れを凝視し続け、ベルリンの壁の崩壊やソ連体制の瓦解、民族主義の復活等を事前に正確に予見した、著者のエッセンスともいうべき同時代への証言録。2006年に惜しまれて亡くなった国際的ジャーナリストが、もっとも知力充実していた時期の最良の仕事と自負し、密かに筐底に残していた、単行本未収録の読みごたえある遺作。本書は、20世紀末の歴史資料としてのみならず、ジャーナリズムとは何かを考える上でも貴重な時代の記録である。

目次

1 一九八四‐八八年 忘れがたい対話(秘境クレムリン―ヴォスレンスキー教授は語る;モスクワ寸描)
2 一九八九年 東ヨーロッパの激動からベルリンの壁の崩壊へ(ハンガリー―改革の旗手;正気の時代―パリ頂上会談;東欧に吹く風;万世一党神話の崩壊;東欧の崩壊―ポーランド;ベルリンの壁落つ;ヤルタからマルタへ;クレムリンとヴァチカン;マルタから何処へ?;崩れた生き残り戦術;ヨーロッパ十九八九年)
3 一九九〇年 東ヨーロッパの市民革命(東ヨーロッパ市民革命―これまでこれから;ブルガリア―民主化への陣痛;東ベルリンの春;レーニンとゴルバチョフ;ドイツ元年;誰が革命を仕掛けたか?;仮面の群れのなかの素顔)
4 一九九一年 湾岸戦争からソ連の崩壊へ(湾岸戦争の前夜;中東混迷;中東展望台;ソ連からロシアへ―クーデター、ゴルバチョフ退場、ソ連帝国の分解と終焉;民族現象の噴火;マトリョーシカ)
5 落穂ひろい(複雑怪奇五十年;スターリンと千島領有;ジェレフ・ブルガリア大統領との会見;ヨーロッパ社会主義は燃え尽きたか?)

著者等紹介

藤村信[フジムラシン]
本名・熊田亨。1924‐2006年。東京大学文学部卒業。中日新聞特派員、同社パリ駐在客員としてヨーロッパに40年間滞在し、活躍。ボーン上田記念国際記者賞、日本記者クラブ賞を受賞するなど、国際ジャーナリストとして高い評価を獲得した。『プラハの春モスクワの冬』(岩波書店刊)で毎日出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Steppenwolf

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本書の登録が私だけとはとても信じられない。もっと読まれていい本だったのに。 まっとうなジャーナリストのレポートをもう新しく読めないというのは残念である。同年代の保守政治家の太鼓持ちのような自称元新聞記者がテレビなどで幅をきかせているだけに本書の著者の貴重さが分かるというものである。藤村信こと熊田亨氏の文章は,野村胡堂のようにですます調でいながらその分析は的確である。2008/01/18

nekotennperu

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「プラハの春・モスクワの冬〜 パリ通信」を、昔、岩波の雑誌で連載してらした頃に何度か読みました。(単行本もその後買ったはずだけどちょっと今、見当たらない) この本では、プラハの春以降の、ソヴィエト、東欧、中東社会のわかりづらい社会の変動を、わかりやすい言葉で解説しています。 1984年から「東京新聞」で連載していた記事が中心。 東欧の市民革命がポーランドから始まり、各地に波及し、ついにベルリンの壁が壊れ、その後、湾岸戦争、ソ連の崩壊と民族現象について。 想像力を働かせることの大切さを語りかけてきます2021/06/02

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