出版社内容情報
黒澤明の見た夢――それは，文明を憂い，心安らう場所を求めてさまよう魂の原風景だった．雄渾なタッチで描かれた絵画，詩情あふれるシナリオ，喪われゆく自然への郷愁をこめ，人間の希望を美しく謳い上げた巨匠の新境地．
内容説明
黒沢明の見た夢―それは、文明を憂い、心安らう場所を求めてさまよう魂の原風景だった。雄渾なタッチと繊細な色彩で描かれた絵画。詩情あふれるシナリオ。この両者が織りなす幻想的な絵物語は、心を揺さぶらずにはいない。喪われていく自然への郷愁をこめ、人類の希望を美しく謳い上げた巨匠の新境地。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
12
黒澤さんの絵コンテが好きです。水彩絵の具とクレヨンで描かれた一枚一枚がとにかく美しく、極上の絵本を読んでいるかのよう。近所の施設の本棚と本棚の間を、特に焦点を定めずのんびり巡っていたら、いきなり本書の背表紙が目に焼き付いた。ささやかだけれど、確かな幸せ。2017/05/05
りるふぃー
6
黒澤明監督のこの作品は、小学生の頃に観て、40代の今まで心にしっかり刻まれていました。こちらの原作本も昔読んだけれど、映画そのもので、黒澤監督の絵がゴッホ風で、大胆な中にもちゃんと描き込まれていて、とても好きです。この映画には、今の時代への警鐘が随所に感じられます。時代の大きな転換期である今、皆にこの映画と本を読んで、進むベき道を考え直して欲しい、と願います。2025/08/08
