出版社内容情報
日本近代文学の広範囲にわたる実証的研究で知られる著者が,最も力を注いだ鴎外の歴史小説をめぐる論考集.〈歴史其儘と歴史離れ〉の実態を,史料調査と作品分析を通して追究し,その達成と限界を厳密に論証する.
内容説明
戦後の日本近代文学研究において,精緻で手堅い論証、柔軟で行き届いた文学理解とをもつて新しい学風を確立した著者が、最も力を傾注した森鴎外の歴史小説をめぐる論考集。〈歴史基儘と歴史離れ〉の実態を、史料調査と作品分析を通して克明に追究し、その達成と限界を厳密かつ公平に浮彫りにする。著者多年の研鑽を跡づける。
目次
第一章 鴎外・歴史小説における代表的思想(『阿部一族』―その虚無感;『山椒大夫』―形式と思想)
第二章 鴎外・歴史小説の創作方法(『堺事件』;『安井夫人』;『栗山大膳』;『ぢいさんばあさん』―その歴史離れについて;『澀江抽斎』への道)
第三章 鴎外・歴史小説の意味
『阿部一族』
『大塩平八郎』
『澀江抽斎』(抽斎歿後;資料の吸収―『澀江抽斎』一面;鴎外一面;『澀江抽斎』〓話)
-
- 電子書籍
- この破滅が光となるように【タテヨミ】第…