出版社内容情報
東京で生まれた著者は疎開先の北上川のほとりで敗戦を迎える。戦前の東京、濃さを増す戦争の影、同級生との別れ、そして後年イタリア文学に見出したもう一つの戦争。少年の夏と失われた故郷を静かな筆致で回想するエッセイ集。
内容説明
東京・大森で生まれた著者は、一家で疎開した北上川のほとりで敗戦を迎え、帰るべき家を失ったまま盛岡中学に進学する。無垢な目に映った戦前の東京、次第に濃さを増してゆく戦争の影と国民学校同級生との別れ、そして見知らぬ土地での体験とさらなる別れ…。のちにイタリア文学研究の道に進んだ著者は、見えない糸に導かれるように、そこに新たな同級生たちを見出してゆく。皇国少年のあの日々を、そして混沌のなかでの成長の日々を、静かな筆致で回想する。
目次
1 川のほとりで(失われた川;ショプコを摘む ほか)
2 めぐりくる夏の日に―プロムナード(散歩から散策へ;祖父との散歩 ほか)
3 山麓点景(豆腐庵で咲かせた薔薇;浅間山麓の朝 ほか)
4 丸のいない日
著者等紹介
河島英昭[カワシマヒデアキ]
1933年生まれ。イタリア文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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