内容説明
「良質な高等教育はもはや特権ではなくなった!」―ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など、名門大学がインターネットを使って次々と講義の無料配信を始めた。全世界から集う受講生は700万人を突破。大学や企業は、受講生のビッグデータを分析して、教育方法を改善したり、人材の獲得競争を開始した。日本の大学や高校はどうするのか。無料オンライン授業の創設者から各地の利用者まで、徹底した現場取材を敢行した瞠目のルポ。
目次
第1章 MOOC誕生/大歓迎する利用者の熱狂
第2章 MOOCを提供するシリコンバレー企業
第3章 MOOCを提供する大学
第4章 利用する教育機関
第5章 教育の形を変えた男―サルマン・カーン
第6章 教室をひっくり返せ―自宅で講義、教室で宿題
第7章 どうする日本の大学
第8章 日本のオープンエデュケーション
第9章 グーグルのムーク参戦、2014年へ
著者等紹介
金成隆一[カナリリュウイチ]
1976年生まれ。2000年慶応大学法学部政治学科卒業後、朝日新聞入社。神戸支局、静岡支局、大阪社会部、米ハーバード大学日米関係プログラム研究員、国際報道部を経て、2011年秋から2年間、大阪社会部教育担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
67
有名大学の講義ビデオをただ流すだけではない。在職時のキャリアUPするときや、転職するときに使える修了証を発行したり、優秀な人材をプールさせて、人材紹介業に結びつけるのは、さすがアメリカ!ビジネスがうまい!取り立ててアメリカ礼賛をするつもりはないが、素直にそう感じた。個人的に興味がある社会人教育はについては、大学教育というよりもむしろ職業訓練校に近い。講義の聞きっぱなしではどうしても眠くなるので(笑)、手と頭を使う講義スタイルの方が好き。今のWeb技術なら難しくないだろう。2014/02/27
壱萬参仟縁
30
グローバル教室:コーセラの創業者でスタンフォード大学教授のコラー氏はフォーラムの可能性に期待(56頁)。大学に入る経済的余裕のない若者も、世界の大学講義を履修、修了証をリスト化、企業にインターンシップを打診すればあとはチャンスが与えられるか否かだけという時代に(118頁)。つまり、大学サイドからすれば、学費が高過ぎるという批判にどう答える のか、問われるところだと思う。日本の大学は淘汰されるところも増えると思うが、時代の流れには抗えないと思う。 2015/04/17
mit
15
妻が数年前から編み物を始めた。家で子育てしながらの独習なので、本で説明を読んでも分からないことがあるようだ。そこで活用し始めたのがYoutubeなどの動画サイト。個人が趣味で実演しながら教えてくれる動画が多数登録されている。細かい動きを何度も見返すことが出来て便利そうだ。実演なので、日本語や英語だけでなく、スペイン語やロシア語で説明されていても見れば分かるとのこと。グローバル化が宣伝されているビジネスや教育の世界だけでなく、こんなドメスティックな趣味でも世界中と繋がっているのは驚きだった。本の感想は省略。2014/09/28
hanagon44
14
出版から2年余り。MOOCは既存の高等教育に取って代わることに失敗したと結論づけているサイトもある。本文中に最高学府の魅力ある講義を採用した大学でも,そこの学生のレベルに合わせたカスタマイズが必要だと関係者が述べている所もある。MOOCの恩恵に浴する層が存在するのと同時に,それを使いこなせない層もいるというのが実情で,学ぶことは誰もかれもが世界最高レベルの講義で開花できるほど単純ではない。僻地の受験生や働きながら基礎学力の補強をしようという人たちを支える草の根的活動と両輪で教育機会を増やしているのは確か。2016/01/09
アーサー2号
8
大学入学前に読んでおいて意義のある一冊だった。open educationの一つMOOCはMITやハーバードといった有名大学の授業をネットで無料で閲覧でき、修了証までもらえる。今の時代、グローバル化や教育のありかたが日々変化してるので、より幅広い知識を習得したり、中途半端なスペシャリストより強いジェネラリストを必要としる傾向が強いと思う。だからMOOCの様に自発的に勉強できることというのは時代の流れのなかでも当然と言える。まだまだ進展、議論がなされていくと思うが、今の教育現場を知るのに大変よかった。2014/03/24
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