聞き書 宮沢喜一回顧録

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000022095
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0031

内容説明

保守本流の政治家として経済企画庁長官、外務大臣、官房長官などの要職を歴任、戦後政治の重要局面に幾度も立ち会ってきた元総理の回顧録。生いたちに始まり、サンフランシスコ講和会議への出席、参謀役として活躍した池田内閣の舞台裏、さらに総理大臣として重要課題への対応に追われた時期などをふり返りつつ、将来の日本がめざすべき政治のあり方・理念を語る。また、戦前の日本社会の様子や、政界きっての国際派として交流した各国の要人たちの横顔、外交交渉の舞台裏など、興味深いエピソードも尽きない。

目次

第1章 生いたち
第2章 戦前・戦中の体験―日米学生会議、税務署長時代のことなど
第3章 敗戦直後の大蔵省
第4章 GHQとの交渉―ドッジ・ラインとシャウプ税制
第5章 講和会議に随行する
第6章 宏池会の誕生と安保騒動
第7章 池田内閣時代
第8章 日米繊維交渉
第9章 プラザ合意、そしてバブル崩壊へ
第10章 総理大臣時代
終章 二一世紀の日本を考えるために

著者等紹介

御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年、東京に生まれる。東京大学法学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授を経て、東京大学先端科学技術研究センター教授

中村隆英[ナカムラタカフサ]
1925年、東京に生まれる。東京大学経済学部卒業。東京大学教授、お茶の水女子大学教授、東洋英和女学院大学教授を歴任。東京大学名誉教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Prince of Scotch

10
戦後の政治家のなかでも屈指の知性を持つ一人だが、軍団をまとめあげる「将帥」というよりはむしろ「参謀」の器ではなかったか。右肩上がりの高度経済成長期の首相であったなら、一定水準以上の高い評価を得ていたかもしれない。冷戦終結後の激動期の政権運営は秘書官タイプの宮澤氏には些か荷が重く、自民党の超長期政権を終わらせた「最後の将軍」になるとはご自身も予想だにしなかったのではないだろうか。この度、中曾根康弘氏の自伝を読んだのを契機に、この聞き書を再度読もうと決意した。2017/06/06

ななっち

3
戦前・戦中のシャウプ勧告はじめ、日米繊維交渉また各国首脳とのやりとりなどなかなか知りえない貴重な証言だと思います。日本ではアメリカ占領時代を「解放」と捉える人もいるが、直接の交渉にあたった役人にとっては、占領というのは屈辱的なことであった、という氏の証言は、自治大の戦後資料を見ていてもわかるような気がします。2013/01/27

Francis

2
生い立ちから総理大臣時代までのことを語りおろした回顧録。占領期、サンフランシスコ講和会議、安保闘争、日米繊維交渉など、戦後史にまつわるエピソードが満載で面白く読める。ただし、語り口のところどころに現れる宮澤氏の育ちの良さが脇の甘さにつながり、リクルート疑惑や自民党下野などのみっともない事態につながったのかな、とも思えた。2013/01/12

挙党協

1
伊藤昌哉に対する「お告げみたいなことを言うことがあって、池田総理が困っていた(大意)」という評に笑う。それはともかく、最近とかくリベラル派に持ち出されがちな宮澤の考え方を知る上で意義のある書。本書を読めば宮澤がそう単純なハト派ではないことが了解されるだろう。2017/07/26

トロント

0
保守本流のエースと呼ばれた宮澤喜一首相の回顧録。氏らしく証言や人物評に毒舌気味な表現を多々使っていて面白かった。また資料的な観点で見ると吉田・池田経済路線に対してトーンダウンさせてる点が興味深いですね。戦前右翼的経歴であり晩年は国防論を唱えてた吉田茂と安保闘争での強硬論や密かに核武装論を考えてた池田勇人が思想的にハト派な訳ないのは当然なのですが、自身の主張でもある「軽武装・経済重視・平和主義」の正当性に若手時代から名前を使ってきたのを考えるとこの変化は面白い。これは晩年故の自白と見るべきなのでしょうか。

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