内容説明
築三十年を越えるマンションがまもなく百万戸に達する一方、続々と建設が進む超高層マンション。あなたはマンションの未来をどう思い描いていますか?今だからこそ語られる、阪神淡路大震災を機に建替えに直面した住民たちの三年半に及ぶ記録は、補修か/建替えかという選択を超えて、住まいについての考え方の根本的な見直しを私たちに迫ります。
目次
第1章 われらが住まい渦森団地
第2章 兵庫県南部地震と直後のわがマンション
第3章 自分たちのマンション生活を取り戻すために動き始める
第4章 建替え事業に向かって合意を作り上げる
第5章 マンション住民が自分たちのマンションを造る
第6章 地震が教えてくれたもの、コンクリート長屋の視点
著者等紹介
村上佳史[ムラカミヨシフミ]
1958年兵庫県西脇市生まれ。プラントメーカーの電気計装エンジニアを経て、大手産業用計測制御システムメーカーのセールスエンジニア。88年、本書の舞台となる渦森団地17号館を中古で購入。95年に兵庫県南部地震に遭遇。素人管理組合役員として、その後復旧から建替えに至る事業にかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きくまる
2
マンションの理事をやることになって手にした本。大震災は、今やいつどこで起きるかわからない時代。震災の後、マンションがどのように再生していったかの話は興味深い。特に質の高い理事たちの活躍がすばらしかった。建て替えに流れが変わっても、きちんと修繕はする。理事たちは建て替えに心動いても、常に賛成・反対両方の資料を同等に用意する。月に二回の草むしりを通してつながっていた住民の意識も高かったんだろう。もともと怒鳴る人がいない総会だったそうだし。それにしても大変…今これをやれる人はなかなかいないだろうなあ。2013/09/19