感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
廃
4
「リベットの実験」を行ったリベット自身による書。主観的な意思体験は実際の知覚より遅れ、何かを行う意思を発動する前から脳の活動は始まっているという概要であるが、実はリベット自身は自由意志はあるという立場である。 デカルト2元論とは違うといいつつ、2元論的な考え方を打ち出し「精神場」なるものを提唱している。これは脳という物質がなければ存在しないがそれ自身は必ずしも物理法則には従わない。それならば私の感覚では2元論でよって自由意志もあると言ったほうが明確な気もする。もちろん実際にはないのかもしれないのだが 2015/08/16
iwri
4
リベットの実験については知っていたが、実際にリベット自身による報告を読むとまた別の面白さがあった。実験自体の解説も丁寧。ただ、一部わかりにくい部分があった。専門性のためか訳文のためかは判断がつかないが。実験科学者として、心の哲学の哲学者(サールやチャーマーズやデネット)の論をテスト不能/検証不可能とバッサリやるリベットの反論は痛快だったw2012/01/28
Satoru Yonekura
3
「マインド・タイム 脳と意識の時間」ベンジャミン・リベット(2005年) 書名がお手軽ビジネス本的ですけど、副題で分かるようにそんな本ではないです。 あなたが「これをやろう」と思うとき、実はそれは自由意志で思い付いたのではなく、思った時点の0.5秒前に無意識的に脳の中で起動され、それが0.5秒後に意識に上って来た(気付いた)のだ、という科学的事実(と評価して良さそうな実証実験がなされていること)の本です。2017/02/18
nchiba
3
意識が何かをしようと認識する500msも前に脳の活動は始まっているという。無意識の領域にはまだまだ大きな謎が隠されているようだ。詳細な実験データも記され、かなり哲学的でもあることから内容を完全に理解するのは容易でない。しかし、意識とか心を理解するには重要な知見が記されている。少し頭を整理してもう一度読み直したい。2013/09/23
よねちゃん
2
なるほど脳と言っても科学的には物質に過ぎないわけでそれがどうして意識とか心が発生するのか? 量子力学からの引用によれば素粒子に意識が宿っている可能性があるかも知れないらしいです。 そうすると物にも心が発生するかも知れなくて実際妖怪に付喪神がいることを思い出しました。2022/09/21
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