出版社内容情報
ナチスの大量殺害はいかにして現実化したのか.科学的根拠を与えた精神医学者や人類遺伝学者達の深い関わりあいを克明に追跡.科学と政治,科学者の論理のあり方を根底的に問い直し,問題の奥深さと普遍性を提示する.
内容説明
ナチスの大量虐殺はいかにして現実化したのか。科学的根拠を与えた精神医学者や人類遺伝学者達の深い関わりあいを克明に追跡、大量虐殺に当時の最高の頭脳が積極的に関与していった過程を鮮やかに描く。科学と政治、科学者の倫理のあり方を根底的に問い直し、問題の奥深さと普遍性を提示する、世界各国語への翻訳が進む労作。
目次
第1篇 絶滅への道(ユダヤ人の追放から精神病患者の断種へ;精神病患者の殺害からユダヤ人とジプシーの殺害へ;人類学や精神医学の研究材料となった人々;人類学者の役割と自画像について;九つの疑問)
第2篇 インタビュー(ゲルトルート・フィッシャー;ビドキント・レンツ教授;ヘルムート・フォン・フェルシュアー博士;エディス・ツェルビン・リュディン教授;スザンヌ・リュディケ夫人とローレ・フォン・クリース博士 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hamahana
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背景となるドイツ史を知らないと、充分な理解に到らないと思った。2010/02/07
札幌近現代史研究所(者。自称)
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ベンノ・ミュラー=ヒル著、南光進一郎監訳の、ナチ・ドイツ期における、安楽死計画やそれらによる犠牲者の臓器収集などによって利益を得た精神科医たちの所業の記述と刊行当時存命だった関係者へのインタビューの2篇からなる書籍。 第一部は安楽死計画とそれに携わった精神科医や人類学者やその所業が挙げられ当時エルンスト・クレー(医療ジャーナリスト)らによりようやく先鞭がつけられたそれらの罪悪について記述してあり著者の疑問や憤りが伝わってくる。またぞろ優生思想が頭をもたげる中有効であろう。2020/07/30