出版社内容情報
フォイエルバッハ,バウエル,キェルケゴールそしてニーチェのキリスト教に対する批判と経済関係に対するマルクスの批判を含め,19世紀精神史を回顧し,その主要問題を現代との関連において考察.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
掬水
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上巻から下巻を貫く主題はヘーゲルによって大成された歴史的哲学的体系がドイツ近代市民社会の形成に与えた影響をフォイエルバッハ、マルクス、シュティルネル、ニーチェ、キェルケゴール(彼はデンマークの人間だが)などといった人物を通して分析することにある。彼らの労働、教養、人間、キリスト教観が筆者の博覧強記の引用と構成によって豊かに紡ぎ出され原典に当たってみたくなる気分に駆り立てられた。正直、一度読んだだけでは半分も理解できなかったが、西洋近代の市民階級に対する見方はだいぶ変わった。2022/04/07