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内容説明
パウロを読み直しながら、聖書学・政治哲学・存在論の領域を自在に往来し、それらを貫く未知の思考を編み出そうとした、アガンベンの挑戦。パウロ書簡に、新しい法と権力の理念を掘り起こし、その基盤にある時間変容の経験に論理的な表現を与えて、政治哲学と存在論とを架橋しようとする。「残りの時」とは、終末ではなく、祭のあとの時間でもない。それは過去と未来を分離する「今・ここ」を、さらにもう一度切断することによって現れる、実存と共同性にかかわる異質な次元のことなのだ。パウロが「召命」と名づけたこの次元の経験は、遠くヘーゲルの止揚に、マルクスの階級に、そしてデリダの差延にもその共鳴板を見いだす。ベンヤミンとともに著者が試みる、「メシアニズム」の再生は、世俗化と啓蒙による近代という精神史の常識を揺るがす起爆力をもち、現代の生存と政治の命運に知られざる視野を提供する。
目次
パウロス・ドゥーロス・クリストゥ・イエースゥ
クレートス
アフォーリスメノス
アポストロス
エイス・エウアゲリオン・テウ
閾あるいはトルナダ
パウロ書簡
アガンベンの時 対談解説
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ][Agamben,Giorgio]
1942年、ローマ生まれ。2003年11月より、ヴェネツィア建築大学美学教授
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。専攻、学問論・思想史。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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