出版社内容情報
第二次大戦期の日ソ外交には，どんなドラマが隠されていたのか．本書は第一級史料・ロシア外務省所蔵文書の分析を通して，条約締結から破棄への全軌跡をつぶさに描く．国際関係論，現代史研究者にとっての必読文献．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
9
１９９６年刊。ソ連側の外交史料を用い、中立条約を取り巻く日ソ戦時外交を描き出した労作。あまりにも利己的かつ内向きだったソ連時代の外交史のナラティヴを脱し、他国の認識とのギャップを埋めていく意欲と責任感が垣間見える。いかにも９０年代ロシアらしい感覚だ。ソ連ではスターリン批判より寧ろスターリン外交に対する批判の方が難しかった、という著者の指摘は極めて重要。この問題は、現代ロシアにまで尾を引いているのではないか。2024/03/19
-
- 和書
- 僭主政治について 〈上〉
