出版社内容情報
ゾルゲ事件で処刑された尾崎秀実.幼い頃から親密な間柄であった著者が,この希有の歴史感覚を備えた先輩ジャーナリスト尾崎の想い出,その人となり,仕事,生き方を情感をこめて綴った感動的な回想録.
内容説明
ゾルゲ事件に連坐し、処刑されたジャーナリスト、尾崎秀実。本書の著者は、幼少の頃から尾崎ととりわけ親密な間柄であった。いまや滞欧50年以上に及ぶジャーナリストが、この稀有の歴史感覚と現実認識を兼ね備えた先輩ジャーナリストの人となり、仕事、生き方など、これまで知られることのなかった様々な具体的事実を初めて明らかにする。最も信頼された人間からみる苦渋に満たち尾崎の姿は、他の資料からは得られぬ貴重なものであるばかりでなく、二人の友情の軌跡は誠に感動的である。
目次
幼な子の歌(淡水の秀実さん;大武崙の夜釣り)
京都の再会―秀実さんの講演会
東京の日々―“カノーネン・フッター”の憂い(大砲の餌食になるな;満州、支那治安月報;防共協定)
尾崎家の送別会(尾崎家の送別会;さよなら東京、さよなら日本)
遠い異国から(ベルン―東京・葉書通信;笠信太郎さんと秀実さん;秀実さんから頂いた最後の言葉;ベルリン通夜)
英子さんの話―うたさんと秀実さん