人間のしるし

人間のしるし

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000016223
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

出版社内容情報

発覚すれば確実に銃殺.ナチ・ドイツ占領下で非合法出版に携わるジャン.かつては彼も世界の動乱の中で安物の幸福だけを願っていた.本当の愛を得るために闘う《人間》を描く「アンガージュマンの文学」の傑作.

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

122
クレールの実体が輝いて見えるのは、彼女がドイツ兵と対峙した時だ。複数の敵国の男たちに自らの家を占拠された状態で、彼女は自分なりに戦争のもたらす理不尽さに問いかけ、自らで答えを探していく。最後に見せる彼女の強さは、彼女の自立のひとつの形かもしれない。ジャックとジャンの彼女に対する想いは、浮ついていて、映像で見かけたり、頭の中で作り上げたような女に思えた。フランソワも大切な子供のはずなのに、顧みられていない。作者が地下で抵抗運動のために非合法出版物を出し続けたという意味で出版当時は注目されたのかもしれない。2018/08/18

久美

2
須賀敦子「クレールという女」から。ジャックはジャンに対しクレールを「所有物として」愛していると非難したが、収容所のジャックが愛するクレール、思想としてのクレールもまた彼の見る幻想の姿だ。思想の表れとしての人生か、生活のための人生か。どちらが誤りということでもないのだと思う。戦時下に抵抗活動を続けた作者の苛烈な経験を、私は知らないがゆえに言うのだけれど。答えは自分の、自分が選び、選ばさざるを得なかった人生の中に見つけるしかない。2018/12/29

さくらい

1
はじめは読みにくかったけど、慣れればすらすら読めました。 第二次世界大戦下におけるフランスのある夫婦と親友の話。所有愛、エゴイズム、生きることがテーマ。 フランス文学お得意の、緻密な心理描写がこの作品でも存分に味わえます。 「肉体は死んでも思想は殺せない」という台詞が印象的でした。 残念ながら絶版。 2009/05/10

aotsubame

0
独軍捕虜となり釈放後抵抗運動に参加し投獄されるジャン。勇敢だった亡き同志達と我が身を同化させ、全的な愛の偉大さに向かって向上する彼(作者)の姿に心打たれる。「お前らは人間を殺すことはできる。しかし思想は決して殺せない!」(190頁)2017/10/11

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