出版社内容情報
世紀末から第一次世界大戦へ,嵐を孕んだ時代を予感し表現した表現主義芸術.その発生母胎たるドイツ世紀末芸術を概観した後,ドレスデン,ミュンヘンなどの各表現派の特色を考察し,第一次大戦後の変貌に論及する.
内容説明
印象派の実証主義に反抗したマチスのフォーヴィスムやムンクの内面表現の影響下に誕生したドイツ表現主義。その発生の土壌となった世紀末ドイツ美術の動向を概観した後,ドレスデンやウィーンなどの表現主義各派の特色を考察し、詩、絵画から演劇、建築へと重心を移行させた第一次大戦後の変貌に言及する。本邦初の本格的表現主義論。
目次
激動期の芸術としての表現主義―美術を中心として
ドイツ表現派とその時代―〈ディ・ブリュッケ〉を中心として
ドイツ表現主義芸術のための序章
ドイツにおける世紀末芸術―表現主義芸術運動の歴史的背景として
ヴォリンガーと表現主義
表現主義の再評価について―1960年以後の研究文献から
表現主義とココシュカ
ココシュカとウィーン―なぜ具象〈像〉か
ノルデにおける前近代と近代
表現主義芸術運動におけるユートピア建築思想の生成
タウトとシェーアバルト