出版社内容情報
天動説の崩壊を目撃したデカルトは,カオスと化した世界を手探りで進み,ついに近代という新しい世界の原理を探りあてた.謎のバラ十字団を追う青春彷徨と「炉部屋の夢」を追体験し,『方法序説』誕生の秘密を解明する.
内容説明
『方法序説』はいかに書かれたか。青年デカルトの謎の彷徨を追う近代世界幕開きのドラマ。
目次
1 ワレ、イカナル人生ノ道ヲ歩ムベキカ(ラ・フレーシュ学院;ベークマンとの出合い;バラ十字団を求めて;ドナウ河畔の冬;三つの夢;方法としてのアレゴリー;「炉部屋」を出て―コスモスの崩壊)
2 ワレ思ウ、故ニワレ在リ(炎の自由思想;1623年、パリ;九カ月の形而上学研究;ワレ思ウ、故ニワレ在リ;宗教と科学の間)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
6
デカルトの近代合理主義の誕生をその背景から解き明かす力作。特に精神史の方法を用いて、デカルトと新プラトン主義との関係やフランセス・イェーツの業績を利用した叙述が奥深い。私たちは今この時代に立ち戻り、資本・ネーション・国家の成立を確かめ、次の時代のデカルトがやってくるのを待っているところである。2015/06/28
ぷるぷる
1
かの有名な方法序説を記述に沿って解説してくれる本。 方法序説自体が論文ではなくて、デカルト本人の思索の軌跡を書いたものであるため、結果として半生を描いたような感じになっている。その時代背景も結構丁寧に書いてくれているので分かり易いことは確か。これを読むことで方法序説を読む準備が整う。 但し読むのは1~4部で良いようだ。2010/07/09
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- 和書
- 「天安門」十年の夢