月と太陽と魔女―ジェンダーによるアンデス世界の統合と支配

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  • サイズ B6判/ページ数 362,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000013963
  • NDC分類 268
  • Cコード C0022

出版社内容情報

数多くのクロニカや土着史料を駆使してアンデス社会におけるジェンダーと階級支配の複雑な関係を解明する実証性に富む労作.支配と抑圧を正当化するインカ帝国独自のジェンダー思想とはいかなるものであったのか?

内容説明

ジェンダーの差異を巧妙に利用して帝国支配を確立したインカの実像と、スペインによる植民地主義に抗ってアンデス女性が企てた。自らの文化を守るための抵抗のかたち、先インカ期から植民地時代後半まで、ジェンダーと国家権力確立の関係を史料を駆使して解明する。支配と抑圧を正当化するインカ独自のジェンダー思想とはいかなるものであったのか。

目次

第1章 アンデス的存在様式の生成
第2章 地方の共同体におけるジェンダーの平行性
第3章 帝国体制におけるジェンダーの平行性
第4章 アイユにおける征服のイデオロギー
第5章 「征服のヒエラルヒー」と帝国支配―インカ支配期
第6章 市場経済へ参入する先住民の貴族女性―スペイン支配期
第7章 農民階級の女性たち
第8章 政治的権力の剥奪
第9章 魔術という武器―文化的挑戦
第10章 プナの女性たち
第11章 提言

著者等紹介

シルバーブラット,アイリーン[シルバーブラット,アイリーン][Silverbratt,Irene]
ラヴァル大学、イェール大学、コネティカット大学などを経て、現在デューク大学社会科学部文化人類学科助教授。アンデス世界における帝国建設と植民化という歴史プロセスにおける支配者集団による文化操作の果たす機能に注目し、その実態と歴史的意味を、ジェンダー・イデオロギーや民族集団の言説に依拠して解き明かすことを主要な研究課題としている。1988年、「帝国のジレンマ、親族関係の政治学、インカによる歴史の再構築」により、アメリカ・エスノヒストリー学会ロバート・F・ハイザー賞を受賞

染田秀藤[ソメダヒデフジ]
大阪外国語大学地域文化学科教授。ラテンアメリカ史(植民地時代)。1981‐82、86‐87、89年、ペルー・カトリック大学人文学部歴史学科客員教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chibimao

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キリスト教がアンデス地域に西洋的な考えを押しつける一例が掲載されていたと思います。土着の文化や信仰を他の文化が評価、批判するの問題点について考えるようになりました。2009/02/10

Arte

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インカ帝国とスペインによる支配を受けたアンデスのジェンダー的な話。もともとアンデスでは息子は父の、娘は母の権利を相続し、男女ペアで相補的に労働するシステムになっていた、税を負担するのも結婚した成人男性のみ(その分生活は妻が支える)、もともと男は太陽、女は月ということになっていたので、インカ帝国は王妃を月に見立てて崇拝させたり、地方から処女を差し出させ、王たる太陽の妻として生贄にした。2025/02/23

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