出版社内容情報
東アジアで高度の文明を発展させた中国は，独自の世界観である「中華思想」をつくりあげた．日本・朝鮮および北方諸民族との外交関係を支配した中華思想と古代東アジア世界の全体像を，国際関係の視点から描きだす．
感想・レビュー
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古代中国と日本・朝鮮・北方諸民族が織り成す古代東アジア世界の像から、外交システムにおいて「中華思想」が形成されるまでを描く本。今現在の中国国家の形とは異なり、元々は（秦漢期）多くの民族集団が文化的共通項を持つことによってゆるやかな繋がりを作るものであったが、次第に漢民族と異民族との関係の中で他民族を排除する中華思想が自覚的に形成されてしまい、多民族国家の解体・民族国家の形成の動きを見せるようになる。それは国家統一の繰り返される東アジア諸国家との関係抜きには語れないだろう。2011/05/05
