出版社内容情報
伝統儒教に対する内在批判としての実学思想の形成と展開,「実学」から「開化」への思想的転換,そして開化思想とその運動の展開と挫折の全過程を考察する.朝鮮における自主的近代化への模索に光をあてた画期的労作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くりまんじゅう
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大学受験時の日本史で覚えた、壬午事変、甲申事変とは何か、また何故韓国の近代化が遅れて日本に併合されてしまったのか、がやっと理解出来た。朝鮮の立場から書かれているが、反日史観では無く、あくまで資料に基づきながら、自らの史観を誠実に展開している。日本の韓国併合は、国として長い歴史を持つ韓国人を日本人にしようとした点で、完全に失敗だった。終章の、韓国併合と同時期に起きた大逆事件を引き合いに出しながら、「他民族を支配しようとする民族は、その民族においても自由では無い」という言葉が心に残る。2019/05/10