出版社内容情報
今まで宗教と科学は対立的にとらえられてきた.しかし科学と技術の最先端と接して,再び宗教の問題が浮上している.たましい,死,意識,自然など,両者の接点はどこにあるのか.人間の最大の課題に真正面から取組む.
内容説明
現代人にとって「生きること」の意味は?20世紀末の、そして21世紀の最大の課題となるであろう大問題に、真正面から取組む。
目次
第1章 たましいについて
第2章 共時性について
第3章 死について
第4章 意識について
第5章 自然について
第6章 心理療法について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
烟々羅
14
通読はできてなくて、いったんは図書館に返す本なのですが「次に読むときは再読の気持ちになるだろう」とぱらぱらめくって、思ったので登録。 「日本には精神的な話をするとアヤシゲなこという人がわらわら寄ってくるから困る」「未成熟な人に易はできない」ときちんと書いてるのに、アヤシゲで未成熟な人々は、その辺りを自分の中で読まなかったことにしてしまう構造についてつらつらと考えたり。科学と一神教を対立と捉える風土が日本にあるのが原因ではと河合さんは考えていたのかな。(括弧書きは引用でなく編集してます)2012/05/01
Gotoran
10
こころの豊かさ追求のために、非常に大切と個人的に考えている“宗教と科学の接点”。26年前ではあるが、河合先生が豊富な臨床心理経験を基にユング心理学者として言及されているその考察・見識、「たましい」から「心理療法」の6つのテーマ。非常に興味深く読め、全項目に亘り、気付き・学びで満杯・大満足。宮澤賢治の妹とし子さんの死に関連させた「銀河鉄道の夜」の読み解き、K.ウイルバーの「意識のスペクトル」への言及、自然の捉え方の西洋(ネイチャー)と東洋(オノズカラシカル)の違い、今西錦司氏の進化論等々。2012/01/24
暗頭明
6
(再読、良書)デイヴィッド・ボームは、われわれが普通に知覚している世界は、一種の顕現の世界であり、その背後には時空を超えた全一的な、彼の言う暗在系(implicate order)を有しているとの画期的な考えをもつようになった。われわれが五感を通じて知る世界は、いろいろな事物に分割され、部分化されているが、それらのものは暗在系に対する、明在系(explicate order)であり、明在系においては、外的に個別化され無関係に存在しているような事物は、実は暗在系においては、全き存在として、pp.58-_12015/02/24
tekesuta
4
30年近く前の本だけど、ここに書かれている人間の隠されたつながりについてのいろいろはまだ解決の道を容易には見出していないと思う。この著で提示されてる諸問題は、人文系からのアプローチはもとより、脳科学など生物科学のアプローチも期待したい。 2014/09/21
シフ子
3
おススメだと友人に借りて以来 図書館から2回借りた。じゃあ買えって感じなのだが 絶版なのか新品は手に入らない。著者は 職業柄大きな苦しみを背負っている人に接することが多かったが 彼らの中には偽宗教・偽心理療法で多額のお金を失った人もいたそうだ。これを 多額の金を払ったことで最も本質的な苦しみとの直面を避ける免罪符にしている と表している。スピリチュアル流行の昨今 それらにひっかからないためにも 正しく宗教と科学の接点を知る。そんな時頼りになる本 まるで赤いトラクターそれはお前だぜby小林旭 なのである。2009/10/08
-
- 電子書籍
- 無痛の子 FEAR NOTHING 小…
-
- 電子書籍
- 連ちゃんパパ(32) ヤング宣言