出版社内容情報
一般意味論の最良の入門書として,刊行以来半世紀近く,広く読みつがれてきた古典的名著.言語の機能およびコミュニケーションを通じての人々の相互作用を,身近な具体例に基づいて明晰かつ説得的な論理で究明する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
13
【概要】一般意味論の入門書。【概要】言語は思考と行動に影響を与えるのだからもっと批判的に運用されるべき、という考えのもとで執筆された一冊だ。言語と現実は地図と現地に対応する。言葉で言い繕っても現実が改変される訳でもなく、どれだけ精巧な地図であっても、それが役立たなければ意味がない。言語で抽象的に考えられるようになったが、現実に根ざしたものでないと、謝りに陥るどころか生きづらくもする。2021/09/23
月をみるもの
13
The map is NOT the territory it stands for (地図は現地ではない)2020/05/03
テツ
12
言語と現実との関係は地図と現地の関係と同じこと。地図で示される方角も場所も現実に存在する一点を指し示しはするが、それはどこまでいってもイコールにはならない。思考にせよ何にせよ言語化は大切だ。それは当然だしそう心がけて日々を生きているつもりではあるけれど、どれだけ誠実に言語化を試みたとしても、それは現実に存在するモノゴトとは乖離している。言語を伴う抽象的な思考は現実とリンクしなければ何の意味もないという極々当然なことに気づかされる。面白かったです。2023/08/30
isao_key
12
<どういう場合に人は「ニグロ」だと決定されるのだろうか?アメリカでの定義では、多少とも「ニグロの血」のある人は、すなわち、その両親か祖先が「ニグロ」と分類された人は「ニグロ」である。それなら僅かでも「白人の血」が入っている人を「白人」と呼ぶことは等しく正当であるべきだ。なぜ一方の呼び方を採用し、他方を取らないのか?それは、前の分類の体系が分類をする人々の目的にかなうからである。分類は広く信じられているように「本質」を識別するものではない。分類は単に社会的な便宜や必要性の反映である。>気骨のある先生ですね。2019/04/30
澄
11
小難しい内容なのかと思い、なかなか手が出ませんでしたが、、、 読んでみると意外と読みやすく、面白い内容。元が英語なので例文でも英語が出てくると日本語との差を感じることもあるかもしれないが、言語としての根本的な箇所はどの言語も同じか。普段使っている言語も意識をして使い分けするように心がけたいと思った。同じ言葉、単語でも聞き手によって受け止めるレベルがより具体的か抽象的かで意味も変わってきてしまう。良書。2017/09/10