出版社内容情報
考古史料の年代決定法,および考古史料の分布から人間集団の拡がりを読み取る方法を明らかにすることを通じて,考古史料による研究法の基本を明確化した名著.本邦初訳,今日の日本の考古学徒にとっても必携の入門書.
感想・レビュー
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tnk
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目玉は戦前ドイツの考古学を主導したコッシナに対する批判であろう。 コッシナは出土品の組み合わせ=文化、文化の分布=民族の分布とした。その学説はナチスの領土拡張に利用されていく。 対してエガースは、そもそも文献上の部族数以上に考古学的文化が細分できる上、分布が何の反映かは多義的で、資料批判が必要だとする。分布は保有ではなく、残存を示すに過ぎない。鋳潰し、遺跡破壊など多様な要素を反映して分布が形成され、その根幹は民族に限らない。 概説書ながら、ナチス以後の歴史研究の反省と転回が読み取れる。2018/01/14
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