出版社内容情報
国境を越えた文化的活動によって国際交流を深めようとした努力にも長い歴史があった.それでは文化国際主義は,現代史の混沌とした時代を生き抜き,相互依存が実行される協調的な共同体への道を示すことができるのか.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とある本棚
4
1998年刊行と少し古めの本。文化国際主義という言葉を手がかりに、WWIからWWIIまで文化を通じて平和を築こうとした個人や国際機関の動きを追う。今風に言うとパブリックディプロマシーやソフトパワー、グローバルガバナンスであろうか。国際主義はWWI後に最盛期を迎え、その後WWII頃に政府の政策の中にも反映されるようになる。全体として総花的であり、国際政治におけるパワーの要素にやや楽観的すぎるきらいもあるが、文化や人と人との交流の持つ可能性に気づかせてくれる良書である。2022/04/21