出版社内容情報
「一糸乱れぬ」集団行動,清潔さへの執着等,日常生活の秩序化はいまや息詰まるまでになっている.この過剰な秩序感覚の由来を探って,明治の近代化から武家の礼法,中世寺院の日常規範にまでさかのぼる.痛烈な日本社会批判.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chanvesa
23
明治近代化による規律化・清潔化。その起源の一端を禅宗(曹洞宗)に見出だすのはなるほどと思う。ただし、問題提起に終わってしまう。93頁の「混沌ないし無秩序の存在理由」という権力側の利用方法論は、「混沌や無秩序」側のレーゾン・デートルを踏みにじった側の話であり、そこから何を転倒させて引きずりだすかは読み手の領域にあることなのだろう。話は変わりますが、この数年来、わたしの働く事務所に配属される新入社員(男)たちは、かなりの確率で「片付けができない」子ばかりである。偶然かもしれないので一般化するつもりはないけど。2015/11/03
あだこ
1
フーコーを俄然意識する想いを感じさせる。主に明治以降の日本が人々を規律化させていったという話ではあるけれども、図式的すぎる。2009/10/20