現代哲学の遠近法―思考の消尽線を求めて

現代哲学の遠近法―思考の消尽線を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784000005975
  • NDC分類 104

出版社内容情報

自己意識にかかわる西欧的思考の伝統は,その全ての展開の可能性を尽くされただろうか.ヘーゲル哲学への洞察を踏まえ,現代の知的状況と対峙する著者が,意識の構造,自己関係性をめぐって提案する新たな思考の遠近法.

内容説明

科学論と合理性の問題、理性の歩みと宗教の位置、そして意識の自己解釈と自己関係など―現代の課題と取組み、哲学的思考が意識的生と調和する思想の行程を探究し、新たな超越論的理論の形式を構想する。多くの日本の学究を育てたドイツ観念論研究の泰斗が、該博な知識と洞察を踏まえ、現代の知的状況に向けて発言する。

目次

1 将来の生解釈(生解釈のもろもろの根;生解釈の危機と将来)
2 理性の自己啓蒙
3 思考と研究―合理性の概念規定と位置規定
4 自己意識とその自己解釈―意識的生における宗教の根幹について
5 自己意識と思弁的思考(批判としての哲学と統合としての哲学;自己意識と意識的生;思弁的思考と世界解釈)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご singoito2

8
ハーバーマスの「形而上学の還帰?」との批判論文が切っ掛け。冒頭の「人間は誰しも哲学する」にまず引き込まれてしまいました。根本相関とその暗さという彼独自の超越的根源を軸に形而上学的思考を展開しています。「私は敢えて言うが、匿名の大勢の死や大量殺戮などの犠牲が、そこにおいてなおもその生をとり集めることができ るというように考えることのできない思想などは、われわれにとっても最終的に真実であるとはけっして認められない。生解釈は、逃げのびたものたちだけにしか妥当しないならば、必ずや真ならざるものである。」p442023/01/27

iwri

3
一番の特徴は、ヘンリッヒがドイツ観念論哲学に依拠している点だと思う。基本な論点は、生の意味付けの為の超越性をいかに担保するかという問題だと思う。分析形而上学とも違う、自己意識の特殊性に基づけられた観念論的な形而上学は、英米分析哲学ともフランス現代思想とも異なる理論的な可能性があるのではないかと思う。2011/09/11

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