黒マリアの謎

  • ポイントキャンペーン

黒マリアの謎

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 231,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000004398
  • NDC分類 387
  • Cコード C0022

出版社内容情報

フランス各地に今日もなお残存し,聖母マリアとして信仰の篤い対象となっている黒いマリア像.キリスト教成立以前のヨーロッパの古層にその起源を求めた著者は,キリスト教によって隠された古代信仰の存在を確認した.

内容説明

フランス各地に今日もなお残存し、聖母マリアとして信仰の厚い対象となっている黒いマリア像。この聖母像はなぜ黒く塗られているのだろうか。キリスト教の浸透するよりはるか昔、ヨーロッパの古層にその起源を求めて旅立った著者は、キリスト教世界のうちに習合された民間信仰の存在を発見した。ヨーロッパ異教世界の復権。

目次

はじめに 謎の聖母子像
1 黒マリアの謎
2 黒マリアの起源
3 黒マリアの正体
4 ゴシック・キリスト教と黒マリア
むすび 黒マリア巡礼

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

83
黒マリアというのは初めて聞きました。キリスト教が土着宗教や信仰を取り入れながら拡大してきたのは知っていますが、ガリアもまたキリスト教に影響を与えた土着宗教だったのでしょう。それでも完全にキリスト教に染まることなく、黒マリアという独自の信仰対象を存続させてきたのが興味深いところです。キリスト教世界の中で根強く続く異教の世界があることに注目したいと思いました。2016/11/21

松本直哉

27
ケルト民族の地母神信仰がカトリックと習合して、女性性を排除していた三位一体の教義と衝突しながら、神の母マリアとして神格化されてゆく過程が、図像の歴史をたどりつつ明らかにされる。ケルトにおける「産む性」の崇拝がカトリックでは清く正しい「無原罪懐胎」という形で処女性の崇拝に変容してしまう。神格化するにせよ蔑視するにせよ、女性を産む機械としかとらえられない身勝手な男の理屈が何千年もまかり通ってきたことを改めて感じる。「永遠に女性的なもの」への憧れという結論への違和感はぬぐえない。2018/01/28

satoshi

2
よく初期のキリスト教は他の土着の宗教や信仰を利用して勢力を拡大していったと言われて、それはたしかにガリアでもそうだったんだろうけど、この本の特に最後の方を読むと、キリスト教も逆に利用されたところがあったのかもしれないと思った。/終盤に少し言及されたノートルダムの名を持つ聖堂の場所を結ぶと乙女座の形になるとか、そもそもなぜ「マリア」の名を用いず「我らが婦人」なのか、それはもしかしてマリアじゃないからじゃないかとか、その手の話も大好きです。2012/06/16

せしーりあ

1
何気なく手にとって読み始めたら、止まらなくなった。この本をきっかけにケルト人、ケルト文化に興味を持ち始めました。2008/12/20

1131you

0
読みやすいし面白い。 キリスト教が土着のものを飲み込んだと取るか土着のものがキリスト教を取り込んだと取るか。 経緯は違えど潜伏キリシタンが独自の信仰に変化したことと重なる。 やはり土着信仰はロマン2025/03/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/384203
  • ご注意事項

最近チェックした商品