出版社内容情報
市場経済が未発達であることは,開発途上国の経済発展にいかなる意味をもつのか.市場経済を前提として構築された従来の開発理論の批判の上に「むら共同体」や「国家経済」などの制度・組織の側面を重視する理論を提唱.
内容説明
市場経済が低発達であることは、開発途上国の経済発展にいかなる意味をもつのか。発達した市場経済を前提に構築され、生産・所得のフローの側面を分析する従来の開発理論の批判の上に、「むら共同体」や前近代的政府による「国家経済」などの、制度・組織の側面を重視する理論を提唱。開発経済学が開発途上国の諸問題にいかに答えうるかを問う意欲的な論文集。
目次
第1章 開発の経済学は必要か
第2章 後発国工業化の諸問題―アジアの視点から
第3章 日本の経験は適用可能か―アジア農業発展の諸条件
第4章 アジア農業における労働吸収
第5章 開発過程の農工間資源フロー
第6章 慣習経済と市場経済の浸透
第7章 市場経済の低発達と経済自由化の限界
第7章補論 開発計画化とインドの経験―Chakravarty教授の新著へのレビュー・アーティクル
第8章 アジア諸国の構造調整と日本の協力