出版社内容情報
イギリスの歴史物語作家サトクリフが,幼い日々の記憶を初めて明らかにし,作家へのうながしとなった出来事や,人々との出会い,さらに歩行能力をうばった病気のこと,母への愛憎,思春期の孤独などを赤裸々に語る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
54
【祝生誕100年サトクリフを読む】英国の歴史に取材し、誰もが知る英雄や伝説のみならず、遺跡の出土品の僅かな欠片から壮大なサーガを紡ぎ出したサトクリフは、細密画家として世に出ました。若き日に美術学校で学び、ラファエル前派的な画風で高い評価を得ましたが、滾々と湧出す彼女の内なる世界からの声を表現するには絵画という枠組はあまりに狭く、物語を書きたいとの想いを募らせたとのことです。乳児期に罹患した病の為、四肢に不自由を抱えながらも、限りなく透徹した精神と視点を持った不羈の作家の、創作の源泉に触れられる美しい自伝。2020/01/29
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
イギリス児童文学作家ローズマリー・サトクリフの自伝。2歳で病気になり歩行の自由を奪われたローズマリー。やがて文学に目覚め、歴史小説作家と呼ばれるようになりました。2019/12/21
ぱせり
11
子ども時代の思い出を読んでいると、懐かしさとともに、ほっと寛いだ気持ちになる。サトクリフの子ども時代のあれこれが、将来なるはずの「優れた子どもの本の著者」へと繋がっている、と感じる。「障がい」を持っているという事実よりも、普通の人びとと自分たちとをへだてる微妙な壁があることへの気付きに傷つけられたこと、心に残る。愛犬の話なども。 2017/04/04
ホレイシア
5
作品に惚れこんだあまり、自伝も読みました。2008/01/06
naoco
4
とても興味深かったです。生まれつきのご病気や悲しい恋の体験などが生み出すお話の中の人物に深みを与えてるんですね。緻密な歴史小説を書かれているのでその知識的な背景なども知りたかったです!2019/11/22