出版社内容情報
四国の森の奥深く,時の権力から独立した一つのユートピアがつくり出される.物語は,いつしか20世紀末の作家が生きる世界,われわれの時代に照応して行く…….人間の再生と救済を求めて展開される感動の大作.
内容説明
人間の再生と救済―新しい物語文学の誕生。四国の森の奥深く、奇想天外のユートピア建設が始まる…雄大な構想力が産んだ感動の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
7
◆初出『へるめす』1985-1986年連載、単行本(本書)1986年岩波書店刊、1990年同時代ライブラリー刊、2007年講談社文庫刊、2014年岩波文庫刊。◆2023/9/9、阪神戦の帰りに寄った阪神百貨店西宮の古本市で拾い、既読本棚に移す。
HARUKI
3
神話?民話?ファンタジー物語?今までに読んできた大江作品と異なる。先が読めない楽しさがあり、奥深い。自分にとっては、ハリーポッターを読む感覚では読めず、時間をかけ ゆっくりと読み進める、というより、難しくて早く読み進めることができなかった。それゆえ、ずっと心に残る作品になりそうだ。また装丁や挿画が美しく、想像力がより高められた。2015/04/05
熊男
3
もう壮大の一言。あまりにも重厚な作品なので、稚拙な言葉で語りたくない。2012/06/08
Vakira
2
「とんとの話。あったか無かったか知らねども、昔のことなれど無かったこともあったこととして聴かねばなんねぇ。わかったか!」 四国の山奥の森の幕末から昭和にかけての神話の話。大江の祖母の話を大江が語部となって物語る。 神話がいづれ現在にも繫がってくる。 28年前に買った本で今まで読まずにほっておいたが、大江の巧みな物語に引き込まれ一気に読んでしまった。読んでみるものだ。2014/02/19
wakipi
2
この話を読んだとき、どうやったらこんな壮大な話が出てくるのだろうと思ったけど、四国に行って、その山の深さと山間に溜まる青い空気をみて、「なるほど!」と思った。
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- 和書
- 彩の女 〈下〉 文春文庫