感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
中心となる人格神を設定して非人格的「一者」を思考するやり方と人格神を設定せずに非中心的に「一者」に接するやり方がある。前者は言語によって因果的に思考し「一者」に接するための統一的諸段階を設定する。一方、後者は言語を相関的に扱いまたは拒否し、各々の段階を踏んで「一者」に接し、また戻ってくる。西洋は前者であり東洋は後者だが、両者が言語を超えた実在に触れようとする点は共通だ。本書は、数々の知識人と共にユダヤ・キリスト教、イスラム教、仏教を対話させ、ユングの元型理論も交えて、論理や合理性を作る言葉の外を指し示す。2021/02/09