出版社内容情報
大統領在任10年間の演説約600篇の中から,とくに重要な11篇を選んだ.歴史の節目ごとに人びとの心に訴えたその内容は「言葉とそれが伝える内容こそ政治」とした大統領の面目躍如たるものがある.詳細な訳者解説を付す.
目次
1 荒れ野の40年(85年5月)
2 愛国心を考える(87年11月)
3 基本法とともに40年(89年5月)
4 自由の試練に(89年11月)
5 変革期のヨーロッパの「徳」(90年1月)
6 首都はベルリンに(90年6月)
7 統一も自由も(90年10月)
8 ブラントを悼む(92年10月)
9 言葉の力(93年10月)
10 障害者に公正に(93年7月)
11 ドイツへの信頼を(94年4月)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Greatzebra
11
ヴァイツゼッカーはドイツ統一の時の大統領であるが、この演説集はほんとうに感銘を受ける。言葉の一つ一つが本当に意味を持って響いてくる。日本の政治家でどうしてこういう人が出てこないのだろう。特に今はSNSなどでいくらでも言葉を紡ぎ出せるのに偏見を持ったマスコミに利用されるような発言しかしないのだろう。このコロナ禍にこの本を読む意義はかなりある。2021/01/13
蘭奢待
0
素晴らしい演説。ドイツの戦後の精神の原点。ドイツ政府の過ちを断罪し、反省を全国民が背負い、かつ未来に向けて歩き出す。ドイツ国民自体、戦中の度重なる空襲、戦後の占領国による悪政に苦しめられてきた。連合国や旧占領国に文句を、言うこともなく、開き直ることもせず、イスラエルを助け、連合国に多額の賠償を支払い、強制労働に付き、国を再興させた。2017/01/29
しぎちゃん
0
大統領在任10年間の演説約600篇の中から,とくに重要な11篇が収録されているということですが、どれもよかったです。「荒れ野の40年」の次の言葉は心に銘記しておきたい。 問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。2012/12/27
愛希穂
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ヴァイツゼッカー大統領の有名な演説「荒れ野の40年」の全文を読みたくて読んだ本。 この本には大統領在任10年間の演説約600篇の中から,とくに重要な11篇が収録されているということですが、どれもよかったです。 彼の発言を読んでいて感じたのは、一人の人間としての信念、理念、哲学というものをしっかりと持っているということ。 彼のようなリーダーが日本にもいればと思います。 「荒れ野の40…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2012/12/27