内容説明
ヴェーバー歴史社会学の本質は、歴史と文化創造に自ら積極的にかかわろうとする知的営為の学にある。本書はヴェーバーの都市論を、未完の「変革の理論」の一環として位置づけ、都市論と資本主義精神論、市民論と現代社会(文化)論、市民論と地域論との接点を追求する。没=歴史社会科学的な傾向が顕わな今日、新たな知的状況を創造するという意図のもとに、ヴェーバーの思想が孕む豊かな学問的可能性を探る。
目次
1 ヴェーバー都市論の基本問題
2 ヴェーバー都市論の構図1―「都市ゲマインデ」とその成立基盤
3ヴェーバー都市論の構図2―都市類型論の構造
4 ヴェーバー都市論と「近代資本主義」の形成―「イギリス型」都市類型の理解をめぐって
5 ヴェーバー都市論における「市民」の問題―「市民」概念の基本源造
6 「身分」としての市民―市民的「文化人」
7 身分と階級の市民的相関
付論 比較都市史研究によせて