内容説明
もういやや、こんな生活―団地住まいの主婦・和代は疲れていた。六畳間には無職の夫が寝ており、息子は不登校で部屋に閉じこもったままだ。愛犬と散歩に行こうとすれば、見知らぬ女にペット禁止と非難される。しかも、下腹部にはいやな鈍痛がある。癌かもしれない。わけもなく涙が出てくる。どんなに小さくてもいい、あたしは一軒家を買ってやる―和代は新聞の競売欄に目を止めた。豪邸ともいえる立派な家が格安で売りに出ていた。占有者は今井昭子という女だった…。一軒の競売物件をめぐって展開される女同士の執念のぶつかりあいを哀しくもユーモラスに描く傑作長編小説。大型新人デビュー作!第十三回自由都市文学賞受賞作を長編化。
著者等紹介
小倉銀時[オグラギンジ]
1950年京都市生まれ。早稲田大学卒。不動産業、料理旅館、飲食店、コンビニエンス・ストア等の経営にたずさわった後、2001年春、株式投資の失敗ですべての事業から撤退を余儀なくされ、現在に至る。中編「マイ・ハウス」で第十三回自由都市文学賞受賞。受賞作を長編化した『マイ・ハウス』が単行本デビュー作となる
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感想・レビュー
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michi
2
何か全てにスッキリしない。結局二人とも病気だったの??旦那さんは?娘は?息子は? バッドエンドというよりは、どこにもたどり着けないまま終わってしまったって感じ。 面白くなかったです。2020/11/28
hatsumi
2
面白いというよりは不思議な感覚でした。 女の執念が散りばめられています。 世の中にあるお金に目が眩むといった事件の背景にはこのようなことがあるのかなと考えました。2018/03/23
本ぺんぎん
2
ちょっとおもしろい本なんかと思って読み進めてたら、めっちゃこわいラストでした。2011/09/23
Koto Yamaguchi
1
図書館で適当に借りた。読み終わって暗い気分になったわ~…(~_~;)2012/06/28
メカ黒猫
1
救いの無い話。主人公である2人の女性。幸せを願って真っ直ぐに結婚し子供をもうけた半生。そんな2人がいつの間にか人生の袋小路に。特にに悪人でもない2人が最悪に落ちていく様子が心痛く虚無感に苛まれる。いつでもどこにでも落とし穴が開いているということか。共通項は旦那が最悪。幸せになっても良い2人だっただけに殺し合う場面は虚しさ倍増。ただ作品としてはもう一歩足りない感じ。その奥が欲しかった。読者に委ねる段階までは描けていない。その点評価は低いが惜しい作品。関西弁と河内弁の混在も勉強不足。装丁イラスト◎題字×2012/03/31