内容説明
本書は羅・王両先生の東渡90周年を記念して、日中両国の研究者が一同に会して開催されたワークショップの成果である。敦煌学形成期の苦難やエピソードをはじめ、敦煌文献が仏教関係の資料のみならず歴史、地理、法制、経済、文学、言語など多方面にわたるとともにチベット語やコータン語といった西域の民族語で書かれたものなど、中国および西域の歴史と文化を考察するうえで貴重な資料であることを明らかにして、敦煌学の今日的意義と今後の方向性を示唆する。
目次
羅・王の東渡と敦煌学の創始
大谷光瑞と羅振玉―京都における敦煌学の興隆と第3次大谷探検隊
狩野直喜と王国維―初期敦煌学史の一美談
王国維の初期敦煌写本研究
上野コレクションと羅振玉
陳寅恪先生と敦煌学
大正・昭和前期の京都における敦煌学
中国国家図書館蔵未刊敦煌文献研読剳記
草創期の敦煌学と日本の唐代法制史研究
那波利貞先生の敦煌文書研究
収蔵題跋から見た草創期の敦煌学〔ほか〕
著者等紹介
高田時雄[タカタトキオ]
1949年大阪市に生まれる。京都大学文学部卒業後、同文学研究科で中国語史を専攻。1976年より仏国社会科学高等研究院に学び、1980年同院より博士号取得。小樽商科大学助教授、京都大学教養部助教授、同人文科学研究所助教授を経て、現在、人文科学研究所教授。専門は言語史・敦煌学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。