感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翡翠
10
異なる宗教の者が一緒に祈ることの推奨。相手をゆるすこと。明恵とフランチェスコとの共通点というよりかは、世界平和のためにどうあるべきかという内容。個人的には、芸術が宗教を超えて人に与える影響の話が面白かった。2021/12/14
roughfractus02
9
9.11後を「戦争の時代」とする認識の下、臨床家とカトリック大司教は、アッシジで仏教とキリスト教の歴史の中で特異な生き方をした2人、フランチェスコと明恵について語り合う。2人は困難な状況下で他者に働きかけるより先に自分を変えようとした点で共通するという。この場合「自分を変える」とは、自分に働きかけるのではなく「待つ」態度を貫くことであるという。状況を変えようとすれば自分を変えない態度を徹底する、この矛盾の中で生きる時に「祈り」が生まれるという。他の著作より、河合隼雄の臨床態度が読者に迫ってくる本書だった。2023/03/03
ムーミン2号
8
アッシジと言えば聖フランチェスコ、聖フランチェスコといえばゼッフィレッリ監督の映画・・・となるが、そのアッシジで河合さんとカトリック大司教で日本にも20年以上いらっしゃったヨゼフ・ピタウさんが明恵上人と聖フランチェスコについて語った一冊。とは言え、話題は二人の聖人から宗教へ、平和へ、家庭教育へと展開されていき、倦むことを知らない。現在の社会情勢も(日本国内の教育問題も、隣国のわけのわからんへ理屈も、自国ファーストを唱える人も)考えさせられる。それがもう15年も前の対談なのだから、驚きではある。2019/01/14
ユカ
3
冗談ですけど、と前置きして、首脳会談の時に黙って平和を祈る時間を設けるといいですね、とい河合さんが話されている。「対話をやめて、いっしょに祈りましょう」。賛成。正直、フランチェスコと明恵上人の共通点にはあまりピンとこなかったけど、異宗教間の対話に関する素晴らしい対話だった。2019/05/06
tamagosandwitch
0
異なる宗教間の対話はどう豊かになりうるか バチカンの謝罪2014/08/09