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内容説明
十勝の開拓生活のなか、独自の画業を築いて夭折した神田日勝。その妻が綴る日勝との壮絶な生と愛。日勝の絵の制作や畑仕事、入院から死までを赤裸々にえがく衝撃のドキュメント。
目次
出逢い
秋祭り
町長選挙
種付け料
盲腸の日
晴れの日
雨の日
ニシンの目
母の布団
「死馬」の下に
絵が売れた
八月十二日、入院
八月二十五日
続・八月二十五日
三十二年間ありがとう
先生への手紙
氷点下二十三度
上手すぎた金鶏
土をなぜる日勝
日勝の思い出話
私の神田日勝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
71
優れた画家であり32歳で夭折した神田日勝との日々を妻のミサ子さんが追想した一冊。日勝との出会い、その死、2人の子供の成長などが淡々と綴られる。開拓農民として生きつつ画業を続けた日勝の演劇体験、入院と死の記述など貴重な記録が多い。8年6か月という短い結婚生活でも24時間一緒にいられたと感謝する著者がいじらしい。「世間体と生きるつもりはない」と言い然別湖のオショロコマを釣る男たちを「都会的毒素を抱えこんだ」と批判した日勝。現代と対峙する姿勢に貫かれた多くの傑作は十勝の鹿追の『神田日勝美術館』に収められている。2022/10/25
koba
5
神田日勝の未完の「馬」。「死馬」「痩馬」も日勝の思いが胸を打つ。妻ミサ子がつづる日勝との日々。日勝の人となりがよく表れている。8年間だったが、農耕に勤しみ絶えず、一日中二人で過ごした日々。会社勤めなら一日の半分くらいは別々の時間帯を過ごすが、妻は普通の人の3倍は一緒にいたと考える。そうなると、二人の過ごした期間は24年に。だから、思い出は3倍に膨らむ。とても素敵な夫婦だと思う。2019/10/28
lab87
2
1992年北海道新聞社発行のドキュメント。神田日勝記念美術館へ行きたくなった。2019/12/13
メタボン
2
☆☆☆★ 大好きな画家神田日勝。十勝を去る前にもう一度鹿追の記念館に訪れ、未完の「馬」をじっくりと眺めてきた。もう一つ大好きな「室内風景」は残念ながら展示されていなかった。夫人のミサ子さんの文章はなかなか上手い。農業と画業の並立はなまなかなことではなかったということが良く伝わってきた。生きていれば70歳近くなっているのか、と感慨深いものがあった。2014/04/06