内容説明
初期ロキシー・ミュージックでの活動、デヴィッド・ボウイ/ロバート・フリップ/デヴィッド・バーンとのコラボレイト、環境音楽〈アンビエント〉シリーズの案出など、ロックから現代音楽に至るあらゆる領野において未曾有の多様体的活動を繰り広げる音楽界のトリック・スター、ブライアン・イーノ。その作品と思想の全貌を気鋭の音楽学者が多角的に解明する初の研究書。ディスコグラフィー、用語集付。
目次
第1部 音楽の世界の中のイーノ(イーノの作品の概要;背景と影響;他の音楽について/批評家としてのイーノ;非ミュージシャンの耳;イーノの聴衆、イーノの意図;作曲のプロセス;哲学者としての音楽家)
第2部 イーノの音楽(ロックの極限;イーノのプログレッシヴ・ロックとその音楽;アンビエント・サウンド;コラボレーション;本質と歴史と美)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
17
古本市で購入。水声社、1994年刊行。ブライアン・イーノの刊行時期までのCDを(当時の直近は93年の『ネロリ』)をロック期の4枚とアンビエントに移行してから以降に大きく分けて解説してます。著者はロバート・フィリップのギタークラフトに生徒として入門して音楽の勉強に目覚めたそうです。特に『アナザーグリーンワールド』は1曲ずつ曲の構造を解説します。印象的だったのは、気に入った音色が出ても決してそのツマミの位置を記録しなかった事。そればかり使う様になり広がりが得られなくなるのを嫌いました。今のイーノも好きです。2023/09/28
しゅん
17
アンビエントの創始者、ボウイ・U2などのプロデューサーとしても著名なブライアン・イーノ。著者は80年代中盤までの活動、特にロック方面とアンビエント方面に作品が分裂していく流れを包括的に眺めていて、入門書としてもよりイーノについてより詳しく知りたい人のための研究書としても機能する本になっているかと思う。音階やコード進行からみたアンビエントの楽曲分析もおもしろい。イーノのロックをあくまで「プログレッシブ・ロック」と呼ぶところに矜持を感じる。2017/09/28
Figaro
3
最近、ブライアン・イーノのアンビエント音楽にはまっているので、それらの音楽ができていく過程、時代背景等がわかって面白かった。2010/06/26
サニジョプッ
2
ノン・ミュージシャン、ブライアン・イーノの考え方に触れることができる。たぶんコレ、イーノの音楽に触れたことがない人にも示唆が大きいのでないかと思う。
愁
1
イーノをより深く味わう為に。ロキシーからアンビエントへの流れが個人的に共感できます。シンプルなんだけど個性的。誰でも出来る様で彼独自のもの。素晴らしい人物の一人ですね。